アーメッドの型破りなホワイトタイ・ルックは、“移民労働者へのラブレター ”だ。
5月2日(現地時間)、ニューヨークで開催されたファッションの祭典・メットガラ。今年のドレスコードは「Gilded Glamour(金色に飾られた魅力」)とホワイトタイ。バレンシアガ 服これを受けて、ギルディッド・エイジ(金ぴか時代)と呼ばれた18世紀末のニューヨーク上流社会の表現豊かなエレガンスを体現した装いをした人が多かったが、例外もいた。イギリスの俳優、リズ・アーメッドだ。
アーメッドは、ダブルニーパンツ、オーバーシャツ、タンクトップでレッドカーペットに登場。多くのゲストがトップハットや杖、白い蝶ネクタイといったアイテムで装いを引き立てる中、アーメドはインドのジュエリーを思わせるカルティエのネックレスを身に着けていた。しかし、最も印象的なだったのは、アーメッドが履いていたバンスの白い靴ひもをベルト代わりにすることだった。
“金ぴか時代”を輝かせた労働者を称えて
ニューヨークのレーベル「4SDESIGNS」とスタイリストのジュリー・ラゴリアが考案したこのルックは、一見テーマから外れているように見えるかもしれない。しかし、レッドカーペットに向かう直前の電話でアーメッドは「これは、“ギルディッド・エイジ”の裏側にいた人々、つまり金ぴか時代を輝かせた人々を、称えようとする試みです」と説明した。
キルディッド・エイジは、ニューヨークで莫大な富を生み出したが、その多くは移民労働者の労働力によってもたらされた。「かつても今も、パンデミックの時も、ニューヨークを動かし、輝かせてきたのは移民や労働者です。この街の素晴らしいところだと思います。今日のスタイルは、この街を支えてきたブルーカラー労働者や移民労働者へのラブレターのようなものです」とアーメッドは語る。
テーマに敬意を払いながら、意外性を追求する
ラゴリアは1週間半前、アーメッドからメットガラのフィッティングが必要だという連絡を受けた。「リズと私は数年前から一緒に仕事をしていますが、ファッションと文化について似たような視点を持っているんです」とラゴリア。「テーマに敬意を払いながらも、意外性のあるものを作りたいと思いました。私たちは二人とも、時に挑発し、会話を刺激するのも好きなんです」。アーメッドがレッドカーペットに登場するやいなや、Twitterではその型破りなルックを称賛する声であふれかえった。
ラゴリアは、「ワークウェアのホワイトタイ」というアイデアを思いついたとき、すぐにニューヨーク在住で、「4SDESIGNS」のデザイナーであるアンジェロ・ウルティアに電話をかけた。ラゴリアは、ウルティアとアーメッドが個人的にも、ファッション的にも、すぐに意気投合するだろうと思ったという。
ウルティアは、幼少期に家族とともにエルサルバドルから移住してきた独立系デザイナーで、メットガラの大きなスポットライトを浴びることはあまりないタイプだ。アーメッドのスーツに使われた重厚なウールシルクのファブリックのように、平凡なシルエットを格調高く仕上げるエキスパートなのだ。アーメッドが着用したトップスは、現在のコレクションから流用したワークシャツだと、ウルティアはメールで説明してくれた。ボトムスは、おそらく初めてメットガラのレッドカーペットを飾ったダブルニーパンツだ。
アーメッドとラゴリアのコラボレーションは、昨年の映画『エンカウンター』(原題)のプレミア上映会で着用したプラダのカスタムクルタなど、興味深いレッドカーペットの瞬間を生んできた。
4SDESIGNSを着用するというアイデアは素晴らしかったと思う、とアーメッドは言う。アウトサイダーであること、場違いであることは重要です。そのルックを自分のものにし、期待されないかもしれないのに持ち込むと、世界を広げることができると思います」
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